心理スタッフのうちあけ話(10)
出かける準備をしながら、洗い物をしながら、「ちょっと待っててね」と言っても子どもは待ってくれません。勝手に外へ出て行ったり、汚れた手であっちこっち触ったり…そんなトホホな経験、ありますよね。子どもにとって『待つ』ことはとても難しい課題なのです。
でも、今日は子どもではなくて大人のお話。では果たして、お父さんお母さんは、お子さんの行動を待ってあげていますか?日々の忙しさから「早くしなさい」と急かしたり、せっかく自分でやろうとしていることを先回りしてやってあげたりしていませんか?
北海道新幹線、リニアモーターカーと高速化が加速度を増す現代社会ですが、それは大人の世界のお話。時計の針の影響を受けない子どもには、ひとりひとり主観的で個性的な時間が流れています。
時間に縛られないからこそ、一生懸命履こうとして何分も靴下と格闘したり、何かを伝えたくて「あのね、んっとね、えっと…」といつまでも口籠ったり、根気強くやりたいことに没頭します。
そんな時には、ぜひ「がんばってるね。お父さんも応援してるからね」「うん、そうなのね。お母さん、聞いてるからね」というメッセージを送ってあげてください。
お父さんやお母さんに見守ってもらえてる、聞いてもらえてるという嬉しさや安心感が『自分でできるよ!』という自信や『もっとお話ししたい!』という意欲へとつながっていきます。
結局のところ、子どもは子ども時間の中で経験したことしか身につかないものです。
急がば回れ、子育てはスローライフ。お子さんを『待つ』余裕を持てると、不思議とお子さんの小さな成長や変化に気づくようになります。結果、お子さんへの愛情の加速度が増しますよ、というお話でした。(I)
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- 最終更新日:2016年5月16日