心理スタッフのうちあけ話(14)
保健センターの育児相談で、あるお母さんが「この子は本当に手が掛かるので…」
『毎日大変です』かな。それとも『怒ってばかりです』かな。
私の否定的な予想に反して、言葉の続きは「可愛くて仕方がないんです」でした。
思わず感動してしまいましたが、このお母さんのように子どもを丸ごと受け止めるのはなかなか難しいですよね。
親もひとりの人間ですから子育ての中で不安や苛立ちを感じるのは当たり前、時には「私が嫌いなの?」「私を馬鹿にしているの?」と子ども相手にキレてしまうことさえあるかもしれません。
でも、子どもはお母さんお父さんが大好きです。愛されたいし甘えたいし、いつでも自分を見ていてほしい。
2~3歳の子どもがわざと親を怒らせる行動は取りません。
子どもの行動で困った時は、『やらない』『できない』ではなく『まだ分からない』と考えてみてはどうでしょう。
例えば出掛ける前、親は「どうして片付けないの?」「どうして急がないの?」「どうしていつも靴を反対に履くの?」と焦るばかりですが、子どもは「急いで」と言われても何をすればいいのか分からないし、片付けることや急ぐことの意味が分からない。
どうしたら左右を間違えずに靴を履くことができるのか分からないし、そもそも靴に左右があることが分からない。
さらに、どうしてお母さんやお父さんが苛々しているのかも分からない。
そう考えると、できるようになるまで繰り返し丁寧に教えていくこと、やることの意味を繰り返し丁寧に伝えていくことが遠回りではあってもとても大切と感じます。
子育てはやはり『本当に手が掛かる』ことなのですね。(M)
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- 最終更新日:2017年5月26日